私たちは合組(ごうぐみ)された茶葉を販売する合組茶葉の専門店です。毎日欠かさず行っている合組にはどんな歴史があるのかを辿ってみたところ、50〜60年前のお茶屋では思いもよらない方法で合組が行われていたということがわかりました。
※このブログの内容は、以下のポッドキャストエピソードと連動しています。ぜひ合わせてお聞きください。
合組とは何か
合組とは、茶葉と茶葉とを混ぜ合わせることです。お茶は農作物のため、同じ品種でも毎年風味が異なります。そこで、茶葉を混ぜ合わせることで品質の安定をはかっています。また、MYEのように、お茶の味を作り上げる表現技法として取り入れているお茶屋もあります。
箕 -mi-
箕は古くから日本のみならず多くの国で使われてきました。脱穀した穀物を選別したり、近距離での運搬に用いられ、農家にとってなくてはならない道具です。皮、竹、藤、桜、板など、用途や地方によって様々な材料で作られました。
私たちがアトリエで使用しているのは竹で編まれた箕です。穀物の選別を行う際には、箕を上下にあおるように動かして風を起こし、軽いものは吹き飛ばし、重いものが後方にたまるようにしますが、私たちが合組をするときには箕を2つ使い、上から下へ、下から上へと茶葉を移動させて満遍なく茶葉が混じり合うように揺すりながら動かします。
アトリエで使用している箕は幅30cm程度の取り回ししやすいサイズで、一度に200g程度の茶葉を合組することができます。表面には静電気で茶葉がくっつくのを防ぐため、柿渋が塗ってあります。
箕を現在でも作り続けている職人さんは年々少なくなっているそうで、私たちもこの箕を大切に扱っています。
大佐和老舗(旧本店)で行われていた方法
お茶の大量消費時代の到来、巨大合組機以前に大量に茶葉を混ぜる方法として、MYEの母体である大佐和老舗ではこのような合組の仕方が行われていたそうです。(※図は想像図です。)
- 店にうず高く積まれた40kgの茶箱を片付け、合場となるスペースを作る
- 背の高さほどの板を使って仕切りを作る
- その中に次々に茶箱を開け、茶葉を出していく(40kg茶箱を20箱程度も開けることがあった)
- 茶葉を入れ終わったら、そこを足で踏み固めていく
- 踏み固め終わったら、手前の仕切りを外す
- ミルフィーユ上に積み重なった茶葉を、上から下にS字を描くように触っていく(こうすることで積み重なった茶葉が混じっていく)
- 下に落ちた茶葉を集めて箕でふるう
こうして混ぜられた茶葉をまた茶箱に戻し、それぞれのお茶屋へ運搬し販売した、とのことです。
私たちのオリジナル茶葉合組サービスYOUR BLENDでは、箕を使ってお一人お一人に合わせたお茶をお作りしています。茶葉が舞う時の音、香りをその場でご体感いただけます。ぜひお越しください。
YOUR BLEND
オリジナル茶葉ブレンドサービス